「乳歯はいずれ抜けるから虫歯になっても大丈夫」と考える方は少なくありません。しかし、これは大きな誤解です。乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の健康や歯並びに深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
虫歯による痛みは、子供に「歯医者さんは怖い場所」という印象を植え付けてしまいます。小さいうちに強い痛みや抜歯の経験をすると、その後も歯科受診を嫌がる傾向が強まり、結果的に口腔内環境が悪化するという悪循環につながることもあります。
初期段階の虫歯(白濁や小さな点状の虫歯)は、削らずに治せる場合があります。この段階では「再石灰化」を促す処置が中心です。
この段階で発見できれば、痛みもなく、歯を削る必要もほとんどありません。だからこそ「早期発見」が重要です。
虫歯がエナメル質を越えて象牙質に進むと、冷たいものや甘いものにしみるようになります。この段階では虫歯部分を削り、詰め物をする治療が必要です。
中等度虫歯は放置するとすぐに神経まで到達するため、早めの治療が大切です。治療自体は比較的短時間で終わります。
虫歯が神経まで達すると、強い痛みを伴います。この段階では「根管治療」や「抜歯」が必要になるケースもあります。
重度の虫歯は治療も複雑で、子供の心身に負担が大きいのが現実です。だからこそ、ここまで進行させないことが最も大切です。
虫歯は一度治療しても再発することがあります。治療後のケアを怠ると、同じ歯が再び虫歯になる「二次カリエス」が起こりやすいのです。
子供にとって歯科治療は大きなストレスです。治療前後には親御さんのサポートが欠かせません。
子供の虫歯治療は、進行度によって大きく内容が変わります。初期ならフッ素で削らずに済むこともありますが、中等度以降は削ったり詰めたりする必要があり、重度になると根管治療や抜歯が避けられません。さらに放置すれば永久歯や歯並びにまで悪影響が及びます。
最も大切なのは「虫歯を早期に発見し、早期に治療する」こと。そして治療後も再発を防ぐために、家庭での仕上げ磨きやフッ素習慣、定期検診を欠かさないことです。親御さんと歯科医院が協力することで、お子さまの健やかな歯を一生守ることができます。