矯正歯科の費用について|相場・保険適用・分割払い・医療費控除を徹底解説

矯正治療の費用相場

矯正歯科の費用は、治療方法・難易度・使用する装置・通院回数などによって大きく異なります。一般的な全体矯正の場合、総額で70万〜120万円程度が目安です。部分矯正であれば20万〜60万円程度に抑えられるケースもあります。

治療方法ごとの相場は以下の通りです。

  • ・ワイヤー矯正(表側):70万〜120万円程度。最も一般的で、幅広い症例に対応可能。
  • ・マウスピース矯正:60万〜100万円程度。目立ちにくいが、適応できる症例に制限あり。
  • ・舌側矯正:100万〜150万円程度。装置が見えないが、費用は高額。
  • ・部分矯正:20万〜60万円程度。前歯の軽度な乱れなどに対応。

これらに加え、初診相談料(3,000〜5,000円)、精密検査料(2万〜5万円)、診断料(2万〜5万円)、毎月の調整料(5,000〜1万円)が別途かかるのが一般的です。総額を比較するときは「装置代だけでなく通院ごとの費用も含まれるか」を確認することが大切です。

保険適用が可能なケース

矯正歯科治療は基本的に自由診療であり、保険は適用されません。しかし、例外的に保険が使えるケースも存在します。

代表的なのは以下のような場合です。

  • ・顎変形症:外科手術を併用して治療する必要がある場合。
  • ・先天異常による不正咬合:口唇口蓋裂など。
  • ・特定の疾患に伴う不正咬合:厚生労働省が指定する病気に関連するもの。

これらのケースでは、大学病院や保険適用の指定医療機関で治療を受ける必要があります。一般的な歯並び改善目的の矯正では保険は使えないため、注意が必要です。

分割払い・ローンの利用

矯正治療は高額になるため、一括で支払うのが難しい方も少なくありません。そのため、多くの歯科医院では分割払いデンタルローンを導入しています。

  • ・院内分割払い:歯科医院が独自に設定している分割払い制度。無利子の場合もあります。
  • ・デンタルローン:金融機関や信販会社と提携して利用するローン。月々1万〜2万円程度から支払えるケースが多いです。
  • ・クレジットカード:高額決済に対応している場合、分割払いやリボ払いが可能。

デンタルローンの金利は3〜8%程度が一般的で、数十万円〜百万円単位の治療費を長期間に分けて支払えます。無理なく計画的に支払える方法を選ぶことが、治療を続けるためには重要です。

医療費控除を活用する方法

矯正治療は自由診療であっても、医療費控除の対象になる場合があります。条件は「機能改善を目的としていること」です。咀嚼や発音に支障をきたす不正咬合の改善であれば、控除が認められます。単なる審美目的の場合は対象外です。

医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円を超える場合に確定申告で申請できます。控除額は「(支払った医療費 − 保険金などで補填された額 − 10万円)」です。矯正費用は高額になるため、多くの場合は対象になります。

医療費控除を受けるためのポイントは以下の通りです。

  • ・領収書を必ず保管する。
  • ・交通費(通院にかかった公共交通機関の費用)も医療費に含められる。
  • ・本人だけでなく家族分の医療費も合算して申請できる。

例えば100万円の矯正治療を行った場合、課税所得が500万円の方であれば数十万円の税金が還付されることがあります。高額な治療費を少しでも軽減するために、医療費控除は積極的に活用しましょう。

まとめ

矯正歯科の費用は治療方法によって20万〜150万円と幅があります。保険が適用されるのはごく限られた特殊なケースで、ほとんどは自由診療です。負担を軽減するために、分割払い・デンタルローン・医療費控除といった制度を活用することが重要です。

矯正は費用が高額ですが、歯並びや噛み合わせの改善は一生の財産になります。治療を検討している方は、事前に総額や支払い方法を確認し、無理のない範囲で計画を立てましょう。歯科医と相談しながら、自分に合った最適な治療法と支払い方法を見つけることが成功への第一歩です。